内田春菊さんの私たちは繁殖している17巻を読みました。子どもの遅刻癖について考えさせられました。
基本的に復讐漫画
内田春菊さんの漫画って「誰かから言われた、やられたことを反芻して発表することで復讐している」漫画なんだと思います。きっとその場では相手とやり合わないで、困ったような笑い顔でやり過ごしているんじゃなかろうか。(勝手な想像ですが)
17巻は過去と子どもへの復讐
17巻では娘さんの遅刻癖と過去の男性からの仕打ちに対してイライラが溜まっているらしく、端々に愚痴がかかれています。
過去の男性に対しては完全に切って捨てているんですが、子どもはそうもいかないらしくモヤモヤと悩みながら試行錯誤している様子があります。
描いていない事が多すぎて…
この17巻がかかれている時期は内田春菊さんがガンの闘病をされていた時期と重なるらしく、娘さんへの虐待もそんな辛い時期のこと…と思えば共感できますが、漫画では描かれていないのでDVまがいだと感じるところもあります。
というか、今までが緩すぎてやっとしつけらしいことを始めたような気もするんですが…。
辛い時期だからこそ、子どもに自分のことは自分で解決してほしいと考えると思うんですが、内田さんのうちの子は自分の気持ちが最優先なんですよね…。
娘が美しいからなんだってんだ
留年ギリギリまで遅刻を繰り返す娘さんなんですが、内田さんは「娘は美しい、美しいだけで正義」みたいな描き方をしていました。
いやさ、美しいからって何なのさ。綺麗なら何したって良いって言うのか。
美しさなんて25歳までしか持たないかもしれないけど「時間の約束はしっかり守る」っていうのは何歳になっても信用されると思うんですよ…。
能力があれば自分は特別?
遅刻癖のある娘さんは舞台やCMで活躍されています。学校の勉強よりも芸能の仕事の方に重きがあるようです。内田さん自身もそうなのかもしれませんが、生きていく力があれば時間を守らなくてもいい、自分は特別、という感覚があるんじゃないか?という気がしました。
内田さんも普通じゃない波乱万丈な人生を送られています。その背中を見ていれば、自分に力さえあればどうとでもなる、みたいな感覚になるのは道理なんじゃないかなぁと。確かそうやって育ててこられたような気もします。
あぁ、だから「娘は美しいだけで正義」=美しいというのは特別な能力だってことなのか…。遅刻癖は治らないかもしれないなぁ。
ユーヤの遺伝子は?
その美しい娘はユーヤさんの遺伝子が入っているからこそ、だと思うんですが漫画上ではボロクソ言われていますね。ユーヤの遺伝子のおかげ、ってのは全く描かれていないです。こんな嫌なことをされた~~~~ばっかりです。
子どもを世話する人というイメージ
内田さんはすごく家庭的でごはんとか手作りしたり、うどんとかも手打ちしたり、スコーンを焼いたりしています。子どもたちにも喧嘩しながらもココアを入れたりしています。
絵柄が可愛いので子どもたちはすごく子供っぽく見えるように?描かれているせいなのか、本当に子どもに見えます。でももう、高校生くらいなんですね。高校生で、お母さんが闘病で大変な時って親を助けたりするんじゃないのかな?描いていないだけなのかな?登思いました。
闘病中もひたすら子どもたちのお世話、食事の支度、果ては衣替えまで…「自分でやらせればいいじゃない」とちょっと思います。内田さんにとっては子どもはいつまでも子どもなのか、ずっとお世話していたいのか…。
子どもを育てるとは
子どもが中学生くらいになったら、ココアを入れてあげるんじゃなくて入れてもらうことがあったって良いなぁ、と思いました。自分で自分の世話をできるようにしていかないと後々苦労することになりそうです。
朝起きないとどうなるのか、その責任を親がかぶっているうちはダメなのかもしれない。
うちはまだ小学生で遅刻しそうな時もあるけれど、親が必死になって起こすよりは遅刻させてでも「自分で起きさせる」「起きないとどうなるのか実感する」という練習をさせた方が良いのかもしれないと思いました。
小学生を遅刻させるなんて、親の管理能力が疑われそうですが、いつまでも面倒見てるから自分で起きない、起きれなくなる、という方が怖くなりました。
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